けいおん!は見たことないけれど

また話が逸れるのを承知で書くんですが、けいおんで、最初に唯がアンプにつないだ状態でギターを鳴らすシーンあるじゃないですか。あのシーンってすごく印象に残ってる人が多いと思うんですよ。あれなんであそこまで印象的なのかなーってずっと考えてたんですけど、あれって、あの「じゃーん」ってギターが鳴ったその瞬間のあの唯から、たとえばエリック・クラプトンとかスティーヴィー・レイ・ヴォーンまでが「つながってる」っていうことが、直感的に理解されるからじゃないかと思ってるんです。たったひとつのギターっていう楽器を通じて。なんていうんだろ、特に楽器に興味がない人の前に「ギター」っていう楽器が出現した瞬間だと思うんですよね。

 ふだん音楽聞いてて、ふつうの人って「ギターを弾く人」には意識はいっても「ギターっていう楽器」にまでは意識が届かない。だって、あちこちから聞こえてくる音は、すでに完成されまくったもので、それは「音楽の一部」でしかないからです。それが、唯っていうまったくド素人がギター弾いて音が鳴って感動するっていう経験を通じて、見てる人にも「ああ、そういえばだれでも最初は素人だったんだよなー」って気づくような効果があるのかもしれない。

http://d.hatena.ne.jp/./nakamurabashi/20110226/1298733577

いつも拝読している「G.A.W.」で文章に関するお話があって、その一部に本筋と違うひっかかり方をしたのでメモがてら。特にオチはなし。というか最近いろいろ考えすぎてブログ書けない。書けないよりはだめでも書く。

自分がまともに弾ける楽器、弾いたことがある楽器はクラリネットくらいしかないんだけど、引用箇所のような劇的さはなくても、カール・ライスター北村英治につながってるんだなぁ、とうっすら思ったのをなんとなく思い出した。北村英治はジャズなので実はあんまり縁がない(ジャズクラリネットも好きは好きだ)。カール・ライスターの方は高校の時に「お手本にするといい」と言われて、べたにモーツァルトクラリネット協奏曲のCDを買った。楽譜も持ってた。本当はあんまりよくないとされていたけど、息抜きに1楽章冒頭だけちょこっと、3楽章の最後だけ、とかちょこちょこ吹いてた。指も回らないし音色もよくないし息続かないけど、このまま練習したらその先にあのCDがあるんだな、っていうのを言語化せずに考えていた気がする。まあもちろんクラリネット奏者になるわけではないですし、実際には吹奏楽の練習をするわけですし、現実味は全然ないんですけどもね。あっちとこっちが(めちゃくちゃ遠いけど)つながってるっていうのはある。そのシーンのためだけにでも、「けいおん!」見たいなぁ、って思ったりした。

あと「一人だけいる2年生が卒業する先輩たちから取り残されて放課後の音楽室で一人きりでぼんやりしてるに違いないようなアニメ作品」っていうのも、ブックマークのコメントに書いたけどきゅんとした。