「さあ、これから寝よう」と思うとき、かすかな緊張感がある。
翌朝のことを考える。
寝覚めはいいだろうか。無事に起きられるだろうか。悪夢を見ないだろうか。
3つ目の「悪夢」が結構、私の睡眠にとっては一大事で、悪夢を見なければ「寝覚めはいい」「無事に起きられる」の2つは自動的にクリアできる。
クリアできなかった時は大変だ。動悸がする時もあれば起きられない(起きてすぐ強烈な眠気に引っ張られるようにして寝てしまう)時もあり、起きたはいいけどずっと気分が悪くて何にも手に付かない時だってある。
対策としては「なるべく早く寝てなるべく早く起き、始動時間までのバッファを持っておく」ことくらいしか、今のところ有効な手立てはない。
あまりにも悪夢を見まくる上に具体的に生活に支障が出ているので、かかりつけ医に相談したところ、一応漢方を処方してもらえた。飲んでいるけど、効いているんだかいないんだかさっぱりわからない。気休めでもいいか、と思って飲み続けている。
具体的には「その時一番気がかりなこと」が手を替え品を替え現れる夢だ。ここ1年くらいはずっと家族の夢を見ている。何を不安に思っているかが丸わかりで面白い。次点としては「就職先がない夢」「大学を卒業できない夢」。起きて、私は今働いている、社会人となって収入を得ている、と確認して、ほっとする。もう25年も社会人をやっているとは思えない夢である。
家族関連の夢は、お互いに死ぬか死なれるかしない限り一生見続けることになるのだろう。宝くじが5億円くらい当たって、誰にも言わずに金銭的な悩みが晴れた状態にならない限りは。
寝る前に緊張感があるが故にリラックスした状態で入眠できないのだから、そりゃ悪夢だって見るだろう、と思うけど、鶏が先か卵が先かの課題なのでどうにもならない。私はいったいいつになったら安眠できるんだろう。