「あんな家のことは遊んじゃいけません」問題

断片部行きにしようかなーと思ったけど、はてブのお気に入りで度々目にするのでついつい書きたくなった。直接エントリとは関係ないのでトラバなし。元増田にも。

実は「あんな家の子とは遊んじゃいけません」をやられたことがある。幼稚園の時。私の通っていた幼稚園は今でこそ庶民派の幼稚園になっているけど、昔は地元の名家のお嬢ちゃんお坊ちゃんが通ったりするところだった。もちろんいわゆる普通の子もいたけど。お嬢ちゃんお坊ちゃんが多いせいか、おっとりした雰囲気の幼稚園だった。両親はその辺を考慮して私をそこに入れたらしい。

とあるお金持ちの家の子とちょっと仲良くなった。なにぶん小さい頃なのでどんなきっかけだったかなんて覚えてない。いろんな子と遊んだり離れたりくっついたりを繰り返している頃。仲良くなってすぐ、その子が我が家に遊びに来た。何をして遊んだか忘れたけどたぶん楽しくしてたんだと思う。夕方になって、その子のお母さんが迎えに来た。

その後、そのお母さんがうちに「もううちの子とは遊ばせませんから」という電話をかけてきたそうだ。そのことをきちんと知ったのがいつだったかは覚えていないけど、確かにそれ以来ぱったりと一緒に遊ばなくなった。母親が私にその電話について知らせたのはたぶんよほど悔しかったからだと思う。ご近所での噂話なんかも子供の耳には入れないようにしていたのに。その理由は、前にもちょっと書いたけど、我が家が平屋の借家で古くてぼろぼろで、自分の子供とつき合わせるには釣り合わないからだという。そういう風に直接言われたんじゃないけど間接的には言われたらしい。

その子は私立の小学校に行って、公立組とは全く会わなくなった。小学校の6年間でその子のことはほとんど忘れていた。たまたま同じ幼稚園出身の人と話して、いろいろな子と同じことを繰り返していたことを知った。その子のお母さんのお眼鏡に叶う子供はいたのかいなかったのかよくわからない。

中学に上がってびっくり、なぜかその子が同じ中学校にいるではないか。大学までストレートでいけるところに入ったのに。同じ幼稚園出身の人と一緒に驚いた。聞いた話によれば、成績が悪くて付属の中学にあがれなかったという。実際その子の中学での成績はひどかった。その子はその子なりにばつが悪かったらしく、同じ幼稚園出身の人たちとはあまり話さなかった。

高校受験の時、あまりにも内申書がひどくて受けられる高校が少なかったと噂に聞いた。本人はともかくあのお母さんは悔しいだろうなと思った。誰がどの高校を受けるかくらいはすぐにみんな知ってしまう。幼稚園の時に「友達としてふさわしくない」と思った子供たちが自分の子供よりも偏差値の高いところにすいすい行っているのだから。その子は高校卒業後イギリスに留学したらしい。その後のことは全く知らない。

正直今でもその子とその子のお母さんの当時の振る舞いを思い出すと苦々しく思う。高校受験の時も「ざまあみろ」と思わなかったかと言えば嘘になる(けど、自分の受験に必死であんまり当時は考えてなかった)。でも、「あんな家の子」扱いされても、両親はそれなりの大学まで進ませてくれたし、ちゃんと自分で稼げるようにもなった(もうすぐ辞めちゃうけど)。いいしつけもしてくれたと思う。「あんな家の子」扱いするのは簡単だけど、「あんな家の子」にもそれなりの事情があるのだと、自分にも改めて言い聞かせる意味で書いてみた。

……やっぱり両親の影響が大きいんだと思う。少なくとも子供は悪くない。元増田の人は、そういう意味では頑張っていい環境を見つけ出してほしいなとは思うけど、今の日本では難しいんじゃないのかな。論点ずれててすみません。