- 作者: 金子哲雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 単行本
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金子さんの出演番組は「ホンマでっか!?TV」しか見ておらず、その「ホンマでっか!?TV」もだいたい極端なことばっかりで割と聞き流す(テーマがいやなときはチャンネルを変えてしまう)状態だった私は、あまり金子さんについてよく知らなかった。きちんと認識した、というとちょっとおかしいけど、心の底からすごいなと思ったのは、通夜・告別式の会葬礼状を読んだときだった。
この文章は、金子さんの死後出版された「僕の死に方」の一番最後に収録されている。
本文の一番最後は、金子さんが死ぬ直前まで自分で書いていた文章で、その後のことは長いあとがきを奥様が書いている。金子さんが書いた文章が終わる頃のタッチの変わり方とその直後から始まる奥様の話のあたりで、泣くまいと思っていたけど泣いてしまった。泣きながら読む用に作った本ではないとわかってはいて、なるべく最後まで普通に淡々と読み進めたいのだけど、そしてことさら煽るような文章でもないのだけど、どうにもだめだった。
死を迎えるまでの経緯だけまとめたものではなくて、仕事への向き合い方や考え方も(死ぬ直前まで仕事をしようと決意した人が書いたものなので当たり前だけれど)わかって、闘病記というにはちょっと違う。ぱらぱら立ち読みしたときは読むべきかどうか迷ってしばらく寝かせていて、読めるだろうという覚悟が決まってから買った。読んでよかった。