数年前の思い出(?)

数年前、ある日突然仕事中にめまいがするようになった。

(今はこれから書く症状については出ていませんというかこの時だけなんです)

まっすぐ歩けないくらいふらふらするので、壁に手をつきながら歩く。視界がぐるーんと回って、倒れないものの足に力が入らない。これはいかんと思って、多少の中抜けは特に何も言われなかったので(当時)、気分転換すれば治るかも?と思って財布を持って外に出た。

同じビルの中にあるマッサージ屋さんに言って肩と首をもんでもらい、コンビニでガムを買って、さらに同じビルのコーヒーショップでコーヒーを買って、戻った。

……ということがわかったのは実はずいぶん後で、気づいた時には自席に戻ってPCに向かっていた。なぜ上記の行動を自分がとったことがわかったかというと、レシートがしっかり残っていたから。ところどころで壁に手をつきながら歩いていたのはなんとなくわかるけど、マッサージ屋さんもコンビニも立ち寄った覚えはなく、コーヒーはデスクの上にカップがあるからわかる(時間は1時間くらい間があったと思う)、くらいで、大変気味が悪かった。

その後も謎のめまいとふらつきは全く治らず、たぶん仕事も進まず、数回意識がとんでがくっと突っ伏しそうになったりして、見かねた向かいの席の人が「もう帰ったら?」と言ってくれたのをしおにおとなしく帰ることにした。何時だったのかも覚えてないけどたぶん夕方くらい。向かいの席の人とは、向かい同士の割にはあまり話す機会がなかったので、あー珍しく話しかけてくれたなぁよかったなぁ嫌われてる訳じゃないんだなと思ったのを覚えている。

で、しゃれにならないくらい「記憶がぼんやりしている」状態だったので、脳のどっかが悪いんでは?とMRI検査を受けた。聴覚も調べた。結果、まったく異常はなかった。それから数年たった今こうやって文字にしていても全然その時の記憶はよみがえってこないし、手元に覚えのないレシートとコーヒーのカップがあった不気味さが残っている状態。身体が丈夫だったのをいいことに食事の内容はひどかったし睡眠も足りてなかったけど、それでもあんな変な事態になったのはあれが最初で最後だった。

実は今もどこかで朦朧とした状態になっていてそれを覚えてないだけなんでは?という中二病っぽい考えがふと頭に浮かぶ。あれより前だったら単なる想像のお遊びといえるけど、一度体験してしまうとちょっとした恐怖。その恐怖も最近忘れかけて、なんとなく思い出したので試しに書いてみた。