アイデアに著作権なし……それでも「いいめもダイエット」サービス停止

このいいめもダイエットに対して、岡田氏からクレームが入った。いいめもプロジェクトの開発ブログによると、岡田氏は「記録をしてダイエットに結びつけるという発想は、私の著作からスタートしていますので、見た目上はただの記録するのに便利なものですが、それをダイエットに結びつけているという点で言えば、私の著作の核心と同一ですので、著作権の侵害に当たる可能性が極めて高いと思います」などと指摘。サービスの停止を求めたという。

本来、アイデア自体の著作権は認められない。文化庁でもアイデアの登録について、「発明やアイデアそのものは著作物ではないので、著作権による保護はない」と明文化。サイバー法などに詳しい弁護士の町村泰貴氏も「著作権というのは表現を保護するもの。例えば、記録してダイエットに結びつけるというアイデアそのものは著作権の対象となり得ない」という。

おいおいおいおいおい。記録によるダイエットなんてずーっと前からありましたがな。実際私が一番きちんとダイエットしてやせた時、2chにはダイエットの基礎知識があふれていて、食事を記録するスレもあったし食べた量を把握することも指南してあった。その時買った雑誌「ターザン」でも、3年前に編集長が自ら食事と運動量を記録して1ヶ月で4kgやせている(そのターザン、実は今でもとっておいてある)。

私は岡田斗司夫氏の本がきっかけで実際にレコーディングダイエットを始めたけれど、本の内容について「斬新だ! これならやせられる!」と思ったのではなくて、読み物として面白くやる気を喚起してくれたから。書いてあることは実はあんまり他のダイエット本と変わってない。なぜなら王道だから。食べる量を把握してカロリーに気をつけて食事の内容を変えていくというのはダイエットの基本中の基本だから(そしてそれがなかなかできないのが……)。

でも確かに、プレスリリース中に名前を出すのに結果として許可をとっていないのはものすごくまずい。

【開発の背景と利用シーン】
いいめもプロジェクト第1弾のサービス「いいめも おこづかい帳」をリリースした際、ユーザーから岡田斗司夫氏が著書『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書、2007 年)で提唱している「自分の食事をすべて記録する」レコーディングダイエットに使いたいというご要望を多数いただき、その声を元に開発しました。

いくら非営利でも「プレスリリース」と謳う以上は名前を無断で使っちゃまずい。この点に関しては岡田氏は遠慮なく指摘してもいいと思う。でも「記録するダイエットは自分の発想だ」と言い切るのはさらにまずい。全国のダイエッターが文句言うぞ。

なんか後味わるーな事件(?)ですが、とりあえず地道に「レコーディングダイエット」は続けますよ。この言葉、商標登録しとけばよかったのに。