結婚について

昨日書いた記事に、自分に関する「結婚」の文字が1回も含まれていなかったことに気づいたので、なんとなく付記。

やはりご時世という事情があったのだけど、結婚というのは美男美女で金持ちだけがするものだ、という強い強い刷り込みがあり*1、かつ「結婚=夫に養ってもらう(専業主婦になるかパートに出るかする)」という図式が今よりもずっと強かった。少なくとも個人的にはそのように育ち、女性誌などでそのような価値観を培った。

しかし私がとてもラッキーだったのは、父親は「娘には自分がかなえられなかった大学進学の道を進んでほしい」という強い意向を持っていたことと、母親は「自分のように勉強ができないことで苦労をさせたくない、自分の手で稼げるようになってほしい」と願っていたことだった。

もし双方の意見がうまいこと沿わなかったら、たぶん私は高校進学の時点で商業高校か工業高校に行って、早く自活できるようになろう、と思っていたに違いない。実際当時はそのように進学して早めに社会に出てきっちり稼いでいる同級生もいた。今の選択肢としてはさすがに難しいのかもしれないな。

で、結婚という選択肢は一切持たぬまま社会に出た。とても正確に、かつ慎重に言えば、お付き合いをしている人はいたけれど、その人との結婚は考えなかった。もうちょっと踏み込んで書くと、結婚に夢を持っていなかったといえばだいぶ正解に近いだろうか。書き言葉にするには表現が難しい*2

当時の結婚適齢期であるところの「売れ残ったクリスマスケーキ(26歳)」*3を独身で通り越し、一切結婚を考えないまま過ごし、31歳で結婚した。「は?」とお思いであろう。当時の日記がここに残っているけど*4そういう反応を多くいただいた。当事者の私ですらそう思う。何事にもタイミングというものがあると知ったのは本当に31歳の時でしたね。ありていに言うなら両親の離婚を機に結婚を申し込まれたのだけど*5、ベストタイミングで、後にも先にも他の時期だったら結婚を決意しなかったと思う。

その結婚にも「仕事」という呪いはついてまわる。とりあえず「結婚しても異動・退職しなくてよい」という身分を転職によって手に入れており、運良く旧姓を使ったまま仕事ができ、これまた運良く「女性でも*6長く働けそうな職場」にいたからなし得たのだった。これでもし一般職*7だったら即寿退社だったよ……。なんなら同級生には「同級生との結婚退社を前提に金融機関に入社」した人がいたからなぁ。今だったらdisられるだろうなぁ。

*1:むしろ当時は全然そんなことはなくて、今の方が大変だ、となっているな

*2:そんなに深刻な話ではなく、飲みの席とかでは適当にしゃべれるので、もしなんか聞きたかったら話題を振ってください

*3:クリスマスイブの24歳、クリスマスの25歳を過ぎても買われなかったケーキになぞらえた言葉。ある時期からなぜかぷっつり言われなくなって大変めでたいですね

*4:はてなダイアリーすごいっすね

*5:語弊しかないのでここも適当に話題を振ってくれたらしゃべります

*6:これ何度も書くけどほんとすごい時代だったな

*7:前の記事の脚注を参照