枕草子 第一段

携帯メールの返事が書きづらいという悩みに対して、「枕草子を冒頭に少しずつ連載していけば?」という回答が返ってきたのに大笑いし、ついでに思い出してみたら、春の部分だけしか思い出せなかった。

春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ。蛍の多く飛びちがひたる、また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも をかし。雨など降るも をかし。
秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて、雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。
冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

高校の時に暗誦テストがあったなー。有名な古典作品の冒頭は覚えておけという先生の方針で、いろいろな作品を覚えたはいいけれど、結構忘れている。いかんいかん。