また会う日まで

魔の空間で買った本をこつこつ読んでいます。小説をまじめに読むのは結構久しぶり。なんでこの本を選んだかというと、著者の柴崎友香さんが大阪の女の子の話をよく書くのと、どなたかがツイートで勧めていたから。

まだ半分くらいまでしか読んでいなくて、読了してから書くかどうか迷ったのですが、今ひっかかったところは今書いた方がいいと思って引用。

「鳴海くんはどう思ってたんかな、って。同じ感じがしてたんかな、ってずっと気になってたから」
「聞いてみれば?」
 確かにその通りで、聞くのは簡単のような気もした。なんで、あのときセックスフレンドって言われて納得してたのか。一度だけ学校の帰りに遊びに行ったとき、楽しかったのか。他の人には思わなくてわたしといるときだけ感じるなにかが、鳴海くんにもあったのか。だけど、言葉にして聞いたら、その瞬間から、ずっと感じてきたことが、それらしい言葉で適当な形になってしまうと思うのは、単なる感傷みたいなものかもしれない。高校時代の思い出とか、そういうの。

これなあ。こういう風にたった4行で書けちゃうんだなぁ、って、やられたなーと思いました。友情でも恋愛でもないなんとも言えない微妙な感じを、いつかこういう時期があったよって書いてみたかったんだけど(日記でだけど)、これでもう全部書かれてしまった。言葉に書くともったいないような、でもちゃんと書き残したいような、すっごく微妙な感情。ニアリーイコールですらないとは思うんだけど。

また会う日まで (河出文庫)

また会う日まで (河出文庫)