見たこと聞いたこと(id:kuri2:20061121#p1)を読んで思い出したこと2件。
新しく引っ越してきた人が「窓を開けられないから、農薬散布するな」と言い出し、「農薬が嫌なら、どうして田んぼのど真ん中に引っ越してくるんだーっ!」と住民(ほとんど農業関係者)の怒りを買ったことがあったなぁ。
怒るのもごもっともで……。
父親からずっと前に聞いた話。牛を5頭くらい(覚えてないのですすみません)飼って、細々と酪農をしている人がいた。周りには野っぱらか農家くらいしかなかった。が、だんだんと宅地造成が行われ、周囲に民家が増えてくると、「臭いからどうにかしろ」という苦情も増えていったという。その人は「どうにかしろと言われたって、牛抱えてどこ行けばいいのよ」と寂しそうにつぶやいたという。
その話を聞いて無性に悲しくなりましてね。そりゃ家買って引っ越してくる人はいいだろう、新しい生活を楽しみたいだろう、でもそこには元々生活を営んでいる人がいる訳ですよ。周囲に牛舎があることくらい知らないはずがない。そこにあえて引っ越して来て文句つけるのは無神経にもほどがあるのではないかと。
父親は建設業なのですが、新築で土台をつくり柱を組み、いろいろな音が立つようになると、周囲からやはり苦情がきたそうです。もちろんできる範囲で対応はしないといけないんだけど(朝と夜は作業しない、土日も作業しない、とか)、周囲の家も新築だったりすると、自分たちのやったことはすっかり忘れて何文句言ってくるんだ、と思ってしまうそうです。音が出ない家作りなんて無茶ですから。
あ、追加であと1件。高校の時、体育祭近くになると、周辺の住民の皆さまへの挨拶周り+ビラ配りが始まります。体育祭実行委員会の総務だった私は、3人くらいで連れ立って、近隣のお宅を1軒1軒訪ねて回ることに。そこで、待ち構えていたかのように「困るんだよね、いつもいつもうるさくてさ、寝るに寝られないよ」と延々お説教をしてくる方がいるのですよ。当時で、高校がその場所にできて70年くらい。現行の体育祭の形になった年を考慮に入れても35年くらいでしょう。年々マナーが悪くなっていると仮定しても、高校がある場所に引越してきて、学校なんだから行事だってそれなりにあるとわかっていて、なのにひたすら説教して鬱憤晴らしをされることに、ものすごく理不尽な思いをしたものです。案外その土地に長く住んでいる人の方が理解があったりしてね。
きれいごとだけど、いろいろな立場を考えないといけないよなぁ、と改めて考えた次第です。