元二が安西に使するを送る

「さらに尽くせ一杯の酒」という言葉が急にひらめいて、こりゃきっと漢詩だと思ってぐぐったら当たり。漢文の時間に習った。

送元二使安西  王維
渭城朝雨潤輕塵
客舎青青柳色新
勸君更盡一杯酒
西出陽関無故人

渭城の朝雨 輕塵を潤す
客舎青青 柳色新なり
君に勸む更に盡せ一杯の酒
西のかた陽関を出づれば故人なからん

で、さらに連想して于武陵の「勸酒」。

勸君金屈巵
滿酌不須辭
花發多風雨
人生足別離

君に勧む 金屈卮
満酌 辞するを須いず
花発いて 風雨多し
人生 別離足る

ここまでくれば、井伏鱒二を持ち出さない訳にはいかないぞと。

コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ

別れの漢詩はいいですねぇ。なんでいきなり漢詩ばっかりになってるのかよくわかりませんが。