顕名

id:toyaとして生き始めてもう11年くらいになるだろうか、紆余曲折を経てこの単なる4文字はなぜか予想以上に自分の人生に食い込む文字列となった。この名前で出会って、会う機会なんて本当に本当に数少ないけど親交が続いている人、ちょくちょく飲みに行く人、Twitter含む各種Webサービスでなんとなくお互いの動向を把握する人。この文字列よりも前の時代からずっとなんとなく「元気でいればいいな」と思い続けている人。いるいる。

その一方で、この文字列は私と分かちがたく結びついてはいるけれど、そこで現される情報以上のものを知らない人がたくさんいる。そりゃそうだ。なんとなくふと、勝手に一方的に読んでいるはてなダイアリーに、どうしても読んでいることを伝えたくて☆をつける、コメントを書く。そのときに表示される私の名前は「toya」だけど、それ以上でもそれ以下でもない。

その「どうしても」のときに、少なくともあなたのところを訪れた者はこういう感じの者です、ということだけ、決して怪しい者(十分怪しいのだけど)ではなく、あなたの文章から何か受け取るものがあったので、感じいってどうしても何かの反応をしたかったのです、とまでは全然伝わらなくてよくて、お互いに見られる可能性がある状態じゃないとフェアじゃない、という主張だけをそっとしておきたくて、たまに自己主張をしてみたり、クリスマスツリーを飾ってみたりする。

顕名のようでいてまったく顕名としての意味をもたないこの文字列を呼吸をするように打つようになった。でもたまにこうやって「この文字列はこれ以上でもこれ以下でもないものである」ということを思い出す瞬間がある。年に数回くらい。それがたまたま今だったのでなんとなく書いておいた。