はやくいって

はやくいって (角川文庫)

はやくいって (角川文庫)

久しぶりに読む小説ならライトで恋愛っぽいのがいいなー春だしー、と思って選んだら読後感がヘビーでびっくりした本。本の存在・ジャンル自体は単行本が出た時にどこかの書評で読んで知ってましたが(だから文庫になっているのを手に取った)、もうちょいライトな感じを勝手に想像してました。短編集なので移動時間に一気に読めました。

「明日からきれいな下着をつけるようにしなさい。そして、女らしい格好をするようにしなさい。それからこの部屋にある、自分を繕ってきたものをすべて一度処分しなさい。今日の自分が迷いなくやれたことをよく考えて、その気持ちで変わりたいのなら一気に変わりなさい。おまえはちゃんと可愛くなれる」

最後の最後のページにあるこの一節でどーんと来ました。8年前くらいの自分に読ませてあげたいです。今でも遅くはないのでしょうけど。

根無し草感

大阪に引っ越して1年3ヶ月くらいが過ぎて、でも大阪はどこまでいっても「お客さん」気分で心の底からくつろげる土地ではなく、勤め先の京都も休日に行くことはまれで(引っ越してから観光したのって2〜3回じゃなかろうか)、やっぱりホームグラウンドは育った鎌倉及び長く勤めた東京なんじゃないのかねぇと思ったけど、たぶん今実家に帰ってもくつろげる気がしない。つかたぶん無理。東京にはもう居場所はなくなった。

相対的に「どこが落ち着くか」というと鎌倉&東京なんだけどなぁ。

お手本になり得る一番の人物である我が母親は、確か40歳くらいの時に「もう人生の半分以上こっち(鎌倉)で暮らしてるから、絶対青森(=出身地)では住めない」と言い切っていたな。あと30年くらい大阪で暮らせばいいんだろか。もうそれ私人生終わってないか。

「80くらいになったら全部引き払って鎌倉に住まない?」と旦那に持ちかけたけど、「足腰が悪くなってて山が多い鎌倉は無理なのでは」と正論で返された。そりゃそうだけどよー。