GWに入って部屋の片付けを始めた。夫婦共に物持ちが異様によく(良い表現)、買い物が好きで、家には「物」があふれている。夫のものには手をつけず、自分のものをとにかく減らそうと試みている。
本屋さんで片付けに関する本もいろいろ見て回ったが、「汚部屋」脱出、素敵な暮らし、シンプルな生活、という流れのものが多いので、いったん「ESSE」の「これからの暮らし」という雑誌を買った。特集は「心も体も老けない人の暮らし方」。要は「自分を丁寧に扱おう」っていうやつだ。
ちょっと前なら「それができてれば苦労はせんよ」と反発混じりの感想を抱いたものだが、今は「まあこういうことをしないと身体と生活を維持するのは難しいよね」と半ば諦観して読んでいる。50代向けなのでフォントサイズが少し大きめ。消費を煽り立てるような言葉は少なめ。こういう雑誌が合う年齢になったなぁとしみじみした。
それにしても登場する皆さん、本当にシンプルな生活をしているように見える。水面の下は必死で水をかいているのだとしても。そういう「見せ方」を知らないまま、私は大人になって、人生の残り時間を考える年頃まで来てしまった。
家に物があふれても、買い物をするのが楽しかった。普通の人はスマホを何台も買わない、カメラもタブレットも何台も持たない。気になった本は物理でもKindleでも買った。ガジェット好きが昂じてさまざまな周辺機器もよく買った。旅行にもよく行った。その全てを後悔していない。私には「誰かのためではなく自分のためにお金を使う」経験が必要だったと心から思っている。
そしてやっと、「もうそんなに物を買わなくてもいい」くらいに思えるようになった。
生活が破綻するまではいっていないが、買い物をすることに依存していた部分は大いにあった。使いこなせなくても欲しい、積ん読でもいいから欲しい、その欲求のコントロールが、私にはまだ難しい。これは意図して変えないと変わらない部分ではあるが、もし依存なのだとしたら、依存の元を断たないと、死ぬまで(文字通り)この暮らしが続いてしまう。
とりあえず「部屋を片付ける」というところが、ひとつ引き金になって、買い物をセーブすることにつながっている。うまく片付けが進むといいのだが、ブログで宣言するほど、私の心は強くない。