
大阪・関西万博を、開幕までこっそり楽しみにしていた。今は開幕しているから、「こっそり」の枷ははずれた。
1970年の万博の様子を、大阪に住んでいる時に万博記念公園へ行って、見たことがある。衝撃的だった。日本にいるハイスペックな方々が結集して、40年くらい前(当時)にこんなすごいことをやっていたのか、すげえ、と単純に思った。だから、いろいろありつつも2025年に開催されることになった万博を、その時の世間の人々のように楽しんでみたかった。
しかし、万博を巡るニュースは、どうもあまりよくない流れになっていた。「楽しみにしている」などと口にしようものならあちこちから斧や槍が飛んできそうな向きだったし、実際いろいろひどかったから、ある程度はしょうがない。
でも、もし世間がもうちょっとだけ、このでかいイベントについてやわらかい雰囲気で、単に直前で間に合うのか間に合わないほらやっぱり間に合わなかった――という論調ではなく、今Xに善意でよいところをポストしてくれている人たちのように、ちょっとしたTipsやパビリオン巡りのコツなんかを説明してくれたらありがたかったのになぁ……などと考える。
Xでポストされる「ちょっとしたトラブルにもくじけない、旅行や文化を不思議な角度で好む人たち」が心から万博を楽しんでいる様子、美しい写真の数々、美味しそうな食べ物……それらは一気に、しおれていた私の万博への好奇心を呼び覚ました。こんなにおもしろいところに毎日入場できる「通期パス」がたった3万円で売られている。私が今も大阪在住だったら――それは限りなく可能性が低いのだが――大喜びで毎週土日に通い詰めていただろう。
もちろん東京に住んでいれば新幹線があるから、土日に行って帰って、ということはできなくはない。ただ、宿を確保するのは結構難しいのだろう。個人的な環境でいえば、転職したてなので、7月まで有休が発生しない。会期は10月13日まで、それまでにはどうにか数回行けるかな、などと呑気に考えているが、なんだかんだいって日本人はお祭りが好きなので、会場はどんどん混雑していくだろう。